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Sifu(紙布)との出会い ver.2

「西ノ内紙布織展」の初日に水戸市の会場へと私は車を走らせました。

初日であれば桜井先生はいらしているはずと考え、またこの日は投薬による副作用も軽いので行けると思ったのです。

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西ノ内紙布織展 2014年10月11日~

展示会会場へは14時頃に着きました。そして、私の予想通り桜井先生の姿を見つけることができました。

着物をビシッと着こなし、すっと背筋を伸ばした出で立ちには小柄ながら、存在感のある空気が全身から発せられていました。

私は、和紙の糸から作られた作品をひとつ、ひとつ見て周り、最後に和紙に撚りをかけた糸の束を手にとり感触を味わいました。

それは、とても軽くまた麻のような感触でもあります。これはあくまでも素人の感想です。

それから、私は桜井先生の傍らにいき挨拶をし、展示会へ来たいきさつを話したのです。先生は深見のある眼差しで静かに私の言葉に耳を傾けてくれました。

会話がすすむうちに、先生の紙糸作りをどうしても見たくなり、不躾ではあったのですが先生の連絡先を尋ね作業を見させていただきたいと、お願いしてしまいました。

のちに、その日のことの話になると初めて会った素性もわからない人に連絡先などを教えたのは後にも先にも貴方だけよ。と先生に言われました。

よほど、切羽詰ったように私が見えたのかもしれません。(笑)

こうして私は、紙布作家の桜井貞子先生とsifuに出会ったのでした。

Sifu(紙布)との出会い

sifuとの出会い

Sifu(紙布/しふ) それは和紙を糸にして布として織った物

このブログは、紙布との出会いから様々な事柄が織りなす日常を綴らせていただきます。

私と紙布との出会いは昨年の事でした。突然の病いによる療養に入る為仕事の引き継ぎをしていた頃です。

正直、病気になった怖さより新規に自社ブランドを立ち上げていた時期でしたから、それを諦めなくてはならなかった残念な気持ちの方が強く、また 自分が役立たずな人間になったような気がしてなりませんでした。

伝票整理をしていた時和紙の包装紙を小さく切ってメモとして使っていたのを見つけ、ふと 以前TVで見た歌手の野口五郎さんが、岐阜県美濃市の郷里を巡る旅番組を思い出したのです。

和紙を漉く職人さん、そして和紙を原料としてできた藍染のシャツ。和紙が洗濯可能なシャツになるなど、どういうことだろう。過去の記憶から急に探究心が芽生えはじめてきたのです。

元来、私は好奇心旺盛なところがあり、駄目だと言われると尚更興味が湧くといった子どもでもあり、母によく叱られたものでした。なので、しばらく行動が制約されるといったタイミングも重なり気になり始めていたのかもしれません。

しかし、それから間もなく私の疑問に対する答えがわかる日がきました。

朝の「モーニングバード」という総合ニュース番組にGウーマン特集の中で「紙布作家の桜井貞子さん」が紹介されていたのです。桜井先生は大正時代以降衰退された紙布を、現代に復元するべく為に40年間に渡り人生をかけた方でした。

番組が終わる頃には紙布に触れてみたい。桜井先生とお会いしたいといった気持ちに突き動かされ、10月に茨城県水戸市で開催された西ノ内紙布の展示会へと、向うことにしたのです。